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めまい(1958)☆☆☆☆

評価がうなぎ登りらしいヒッチコックの作品。

オープニングの音楽の使い方こわい。

以下ネタバレ。

一つ気になったのが、90分程までは完璧な様相を呈していた映画が、そこから30分ほどペースダウンする事だろうか。

そこでオカルト映画から一転サスペンス映画に姿を変えるのであるが、そこから何かが起こるまでが長い。

主人公の狂気にもちかい変態ぶりと、ヒロインの嘘とがああも露呈しているのにそこから30分お預けくらうのは辛い。

カメラが回り込みながらのキスシーンであれだけドラマチックなBGMを流すのであるから、やはりあそこで何か起きないと居心地が悪く思える。

あのシーンをやばい! やばい! と体を浅く震わせながら眺めていた俺の恐怖を返して欲しい。何もないならないなりに、シャブロルよろしくなにか不安げなBGMを流して、(これはちょっと偏執的な恋愛映画の様相を呈しているけれど、絶対背後で何か起きているよな……?)と観客の戸惑いを誘うべきだったのではないかと思う。シャブロルの後期傑作群が30年から40年後出しなのは置いておくとしてね。

けれど前半のヒロインがキスしながらめっちゃ何処かに視線投げるところとか、繰り返される横顔のモチーフ、裁判所的な所から出ていく時の俯瞰よカメラ。ラストは読めるやろ〜と思ったら絶妙のタイミングで虚を突かれ、ヒッチコックってさすがにすげーんだなあと思った。