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『ニア・ダーク/月夜の出来事』

監督 キャスリン・ビグロー

ビグロー監督の2作目の商業映画。ホラー要素込みのアクション・スリラー。

恋人と主人公の関係が女々しくないのが珍しく思える。ビグロー作品は嫌いではないし、むしろアクション描写は大好物なのだが、妙にウェットな人間関係が散見できて、そこが苦手だったのだが、本作はバランスが取れてるほうだ。

設定も良い意味で作りこみすぎてなくて、本筋に集中できる。現代に生き残る吸血鬼の話だが、バタ臭い人間描写も本作には合っている気がする。吸血鬼の歴史が……とかいう重苦しい人間は、一人もいないからね。

この時代のハリウッドの音楽の使い方は、カメラワーク、カット編集の研究が進んだ今と比べるとわかりやすすぎるとも思うが、それにしてもバーの演出はかっこいい。各人物の性格とともに残虐な吸血鬼らの特色が見て取れるし、その強さを存分に示すという物語の要請を全部クリアしてる。カツカツに算盤勘定的演出をこなすだけではここまで出来ないものな。

そしてビグロー、やはりアクション・シーンもはずさないよね。